第124号
10月の展覧会情報です。
愛知トリエンナーレは、ついに行き損ねた。
国立新美術館
- クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
印象派を超えて ― 点描の画家たち
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで
展覧会名そのものの内容。点描、てなんだったのか、よーくわかります。印象派の終焉から分割主義を経てモンドリアンの抽象絵画に、という流れを概観。ちょっと玄人向け。でもゴッホさんも楽しめます。
東京都美術館
- ターナー展
ロンドンに行くとあちこちで目にするターナー。日本でまとめて目にする機会は少ない。大ファンになる感じはしないけど、床屋さんのせがれで上昇志向が強く、あんまりかっこよくなくて、相当稼いだのにケチ、という人間的側面を知り、面白かった。同居の女性にほとんど生活費もわたさなかったらしい。その性格のせいで、女王様から勲章をもらい損ねたそうな。
山種美術館
- 古径と土牛
小林古径と奥村土牛の回顧展。古径生誕130周年。古径はできの良い作品と悪いのとはっきりしてますね。日本画の方は必ず猫を描きますが、古径の猫もかわいいですよ。土牛は、最近まで生きていたとなると、日展のどろどろに最後は毒されていたのかな??絵はそんなことを感じさせない、シンプルなものが多いです。醍醐寺の桜の老木が有名ですが、枝を支える棒まで描いているのは、やっぱ書きたかったからなんですよね。支えが必要なんだな。
サントリー美術館
- 酒器のある情景
サントリー美術館ならでは。古ヴェネチアン・グラスがすごかったです。
ブリジストン美術館
- カイユボット展 ー 都市の印象派
印象派のパトロンの一人でもあった、カイユボットの、本邦初の回顧展。以前ワシントンナショナルギャラリーで見た、ペリソワール・カヌー漕いでいる絵とも再会。しかし、なんといっても、ヨーロッパ橋を描いた写真的な絵。かえって印象派的ではない絵の方が、印象深いです。
私的には今月のハイライト。
東京国立博物館
- 京都 ― 洛中洛外図と障壁画の美
展示替えを含め、国宝・重文の洛中洛外図屏風七点すべて展示、という思い切った展覧会。日本テレビ開局60周年記念。岩佐又兵衛の舟木本に特に焦点を当てています。とても生き生きと庶民の生活を活写。狩野永徳の上杉本も、京都での狩野派特別展以来の再会。
これは、展示替えも含めて行かないと。単眼鏡は必携。裸眼ではよほど目が良くないと見えにくいです。
パナソニック汐留ミュージアム
- ルオーとモロー −聖なるものの継承と変容−
師弟関係にあった二人。パリのギュスターヴ・モロー美術館改装に伴い、パリに先駆けて開催されている二人回顧展。二人の作品の類似性と違いがよくわかります。デッサン重視から抜け切れなかった当時のパリ画壇に、色で構成された材質感(マティエール)、という概念を持ち込んだわけだ。その題材が神話や宗教でなければ、更に革新性が増しただろう。
一見してルオー、モローとわかるようなフィンガープリントが込められているのが、同じく師弟関係にあった古径と土牛との決定的な違い。
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